2021年9月15日水曜日

日本人学校ふれあい大運動会(2021.09.05)

  「われ朝を愛す Szeretem a reggelt」――ハンガリーの詩人アラニ・ヤーノシュが、この言葉にはじまる詩で書いたような、朝の光と香りにあふれた日――去る9月5日日曜に、ブダペスト日本人学校「ふれあい大運動会」が開催され、ブダペストみどりの丘日本語補習校からも、児童・生徒10名に幼児・保護者をあわせた計23名で参加しました。

 昨年は新型コロナウイルス問題のなか、残念ながら中止となった運動会ですが、関係者の方々のさまざまなご配慮とご準備のすえ、今年は開催の運びとなり、子どもたちが思い切り運動する姿を見られたことは、心からの喜びです。

 日本人学校の校長先生には、校長挨拶の際に、「ふれあい大運動会」の、地域に根ざした国際交流という趣旨について、朗々たる声で、大変わかりやすいご説明をいただきました。校長先生・副校長先生をはじめとした日本人学校の教職員と保護者の皆さま、在ハンガリー日本商工会・日本大使館の皆さまには、例年、補習校関係者にも参加の道を開いていただいていることについて、この場を借りて深く感謝申し上げます。

 開会式では、補習校代表として小4の二人が、日本人学校の子どもたちと一緒に、大旗をもって行進しました。三人一組で棒をもって回転しながら走るタイフーン競技では、補習校の子どもたちも日本人学校の児童の皆さんとトリオを組み、「補習校の皆さんは初めてなのに、良く息が合ってがんばっています」との温かいアナウンスのもと、元気いっぱいグルグル走る台風になりました。つづく短距離走やリレーでも、接戦のなか大活躍して、キラキラ汗を光らせていました。表現活動などのプログラムはワクワクして見学を楽しみました。ハンガリーでもしばしば行われるという綱引きは圧巻で、紅白にわかれた子どもたちの、ハラハラドキドキの力強さといったら!

 中学生のリレーには、午後になって駆けつけた補習校中2の生徒二人が参加し、若く輝く力走で、見る者の目を惹きつけていました。保護者も綱引きなどに参加し、リレーでは見事4位となり、充実感を覚えました。

 明治初年から国の教育制度に組みこまれてきた日本の学校の運動会は、スポーツとレクリエーションの機会であるほか、市民の祝祭として民俗的な要素もあり、協同活動訓練の意味もあったわけですが、何よりも大切なのは、我を忘れて跳ねまわり・走り・応援し・お弁当を囲み・躍動する、子どもたち自身の集団的・個人的な〈体験〉だと思います。運動会という近代日本の学校行事が、ブダペスト独特の地域的かつ国際的な環境で、新しく思いがけない変化も受けつつ行われるなか、駆けまわった子どもたちの思い出は、きっと色あせることがないでしょう。体育館での開催でしたが、多様な背景と個性を持つ子どもたちは、未来に向かって広がってゆく青空の晴れやかさを、それぞれのやり方でこの運動会に運んで来てくれました。季寄せにもしばしば選ばれる、ある俳句に詠まれている通りに――「青空をみんな連れ来て運動会」。

(補習校児童保護者寄稿